013 進路?(1984)
昭和59年、中学卒業間近になると寂しくなる。それは学校に行かなくなるから。 めんどうな勉強もなくなれば寂しいし、卒業すると病棟だけの生活になってしまう。 中学卒業後の進路は俺の場合、通信教育かやりたいことをやるかだった。 通信教育はほぼ自分で勉強してレポート提出。 目的もないのにやる気は出ない。 伝家の宝刀「いつまで生きられるか分からんし自由にする」を宣言。 まぁこれを言えば誰も何も言わない。 養護学校を卒業して普通の高校へ行く友達もいたけどウチはそれは無理だった。 学校を卒業するのは寂しいけど、俺には究極の暇つぶしファミコンがあった。 この頃は毎月ゲームソフトを買ってもらえていたので暇つぶしには不自由しない。 まだ指先はよく動いたのでどんなゲームもこなせていた。 ゲーム攻略の研究は勉強以上で病棟で一番ゲームが上手だった。 ちょうど卒業した年にオープニングスクールが開講した。 養護学校の先生が休みの日にたぶんボランティアで油絵などを教えに来てくれていた。俺も油絵を習っていた。絵も特別上手ではないけど誰よりも明るい絵を書く自信はあった。 012 014