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001 はじまり(1973)

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俺は4兄弟の末っ子だったが、長女以外はみんな病気で次女は俺が生まれて間もなくなくなり、長男は生後半年でなくなっている。 そのことは小さいときから聞かされていた。子供なので何でもそのまま受け入れてたおかげで信じられないくらいの愛想のいい子供ができあがっていた。 子供ながらに人に好かれないと大変なことになると分かっていたかのように。 気づいたら4才だった。 この頃のみねおくんは三輪車が大好きだった。 生まれつき歩けなかったので三輪車で家の中をうろうろしたり、近くの床屋くらいは三輪車で行けてた。 三輪車はタイヤがプラスチックのガラガラうるさいヤツ。 これでないとタイヤが重くて転ばない。 この愛車で毎月床屋に通っていた。 お出かけの格好は、ウルトラマンの隊員ヘルメットに仮面ライダーの変身ベルト。 センスは今一だが結構高そうなおもちゃを装備してたので家はぼろかったが我が家はまぁまぁの金持ちだったようだ。 床屋のおばちゃんは「来てくれてありがとうね」と散髪が終わり帰りがけにいつも小遣いをくれた。 いつも可愛い可愛いと言われ、子供は可愛いと言われるものだと思っていたけど、今にして思えば俺の可愛さはどうやら本物だったようだ。 いろんな人がいつも何かくれていた。 この頃はみんな外で遊ぶ時代。外で遊べない俺は友達はいなかったがおもちゃは多かった。おもちゃは好きだったがそれより好きなのがお客さんだった。 人見知りが全くなかったのですぐお客さんに話しかける。 オヤジに来たお客にも話しかけていたのでうるさいからあっちにいっとけとよく怒られていた。 この頃我が家は、運送業、養豚業、モーテルを経営していた。 002